2011年6月14日

こんな歌でした

さて、みなさま「Amazing Voice ~驚異の歌声~ スペシャル
ご覧になられましたでしょうか?

いやぁ、やっぱり真のamazing!なvoiceはブヌンでしたよね!!!キャラクターや
ヴィジュアル的なパフォーマンスではなく声そのものの圧倒的な力は間違いなく
ブヌンでしょう、うん。再確認は、こちらで↓
Amazing Voice ~驚異の歌声~ スペシャル


というわけで、すっかり遅くなりましたが、先日の「交流会」での曲をあらためまして、
ご紹介いたします。

ちなみに「Amazing Voice」で披露されたのは、下記1-2、6の3つでした。
「交流会」にいらっしゃってくださった方も、TVで観た方も、それぞれ
あの素晴らしい歌を思い出しながら、どうぞ!
(曲タイトル、カッコ内の曲名はCD「Lileh之聲 合唱団」より)


1:重い物を背負って伝える歌=「獲物をかついで家路へ」
・農作物などを背負って険しい山道を通り抜け、もうすぐ部落に着くというとき、
 ずっと部落で待ち続けている女性たちに語りかけます。
・リーダーの呼び声から、ブヌン族のペンタトニック・スケールで互いに呼応する
 形式で合唱します。

2:凱旋の歌
・出草(首狩り)が、うまくいったことを祝います。

3:狩猟前の祭りの歌=「猟銃を祭る歌」
・シャーマンのところへ参拝に赴き、銃と猟具を並べ、邪気を払ってもらい、
 祝福を受けます。さらに猟場で狩れる動物名をすべて言ってもらうことで、
 狩猟の成功を願い、祈りを捧げます。

4:誇功宴=論功の宴
・出草から戻ったあと、大将から殊勲の酒を注がれ、それぞれの功績を披露します。
・メンバーは、車座になり、順々に自分の戦いの様子を高らかに
 ("homananu"=力いっぱい)語り、"hu hu ho ho"と締めくくります。
  最後にリーダー自身が謙虚に自分の功績を告げます。

5:首祭=首祭りの歌
・出草の成果を報告し、弔います。

6:粟の豊作を祈る歌=「粟の豊作を祈る歌」
・前年度に収穫の多かった家の粟の種を戸外でムシロに盛り、その周りを輪になって
 囲みます。次年度の豊作を願い、反時計回りに少しずつ動きながら、祈りの歌を
 捧げます。浄められた種は、各家庭に分配され、その時も、それぞれの家の中で
 輪になって合唱を行います。
・リーダーの発声から、o、e、a、iの母音を使った4度、5度を中心とする和音で
 四部合唱形式で歌われます。その際、自由な旋律や、半音よりも狭い音程の移動、
 複数の音を同時に生み出す倍音唱法などが用いられます。合唱は少しずつ
 音程が上がり、最後は円満豊作を意味する完全5度の形で終止します。

以上、「交流会」では、これら貴重な6曲を合唱してもらいました!


布農族の歌と言えば、まずなにより、上記6の"Pasibutbut"(粟の豊作を祈る歌)が、
彼らの"看板"ソング、ブヌンの歌を代表するものとなります。

しかし、ブヌン族といっても、地域によってグループもいろいろ、さらには、
そのメンバー構成、もちろん時代もあるでしょうし、同じ"Pasibutbut"でも、
音楽的なニュアンスは微妙に異なります。

ここに挙げた3つ、番組・交流会・CDで歌われている"Pasibutbut"は、同じ
南投県・信義郷、かつては"Lileh"と呼ばれたブヌンの方々によるものなので、
基本的には"いっしょ"です。

それでも【 台湾布農族「Lileh之聲 (リレーのこえ)」合唱団 】と題された2006年に
録音されたこのCDは、今回の「Amazing Voice」の収録と交流会に来てくれた
メンバーとは異なり(CDと同一メンバーは半数)、さらに、この時の録音には
女性も参加しているので、曲の構造や展開は同じでも、やはり"響き"は別物です。

では、他の歴史的な録音は? 他の地域に住む、別グループのブヌンの歌声は?
代表曲"Pasibutbut"で比べてみましょう!!! 、、、は、

また次回に。